株式会社エイムテック

製品情報

産業用機器
温度補正機能付きエアリークテスター

ASP-2310

産業用エアリークテスターは、漏れのない容器(マスター)と被試験体(ワーク)の圧力差で漏れを検出する差圧センサーを搭載した検査機器で、自動車部品、ガス燃焼機器の配管や各種容器などの製造ラインで使用されています。この産業用エアリークテスターの分野においても、温度変化による誤判定が発生する場合があります。そこで、弊社が培ってきた温度補正技術により、リーク試験中のマスターとワークの温度変化による誤判定を防ぐ製品を開発しました。

  • 温度補正機能付きエアリークテスター セーバープロFシリーズ ASP-2310

ASP-2310の特徴

エアリークテストの
「誤判定の原因をご存知ですか?」

エアリークテストのコストダウン、工数削減を実現!

POINT1
業界初の高精度な温度補正
POINT2
多彩な誤判定対策機能を搭載!
POINT3
自動設定機能で難しい設定をサポート!
温度変化が原因なんです!
POINT
気体の物性によって温度が変化すると圧力も変化しますので温度変化による圧力変化は誤判定の原因になります。

気体は、温度が変化すると圧力も変化します。(ボイル・シャルルの法則)従って、圧力計測(エアリークテスター)でリーク検査をすると、検査品の温度変化によって誤判定(漏れなし品を漏れあり、または、漏れあり品を漏れなしと判定)することがあります。

  • ボイル・シャルルの法則
  • 気体温度が下がる

検査品の温度変化で圧力が下がると、漏れがなくても漏れありと判定します。

逆に検査品の温度変化で圧力が上がると、漏れがあっても漏れなしと判定する可能性があります。

この問題は、理論的には、検査品の温度と環境温度を管理・制御して、検査品が温度変化しない状態でリーク検査を行うとことで対策できます。しかしながら、実際の製造現場で、検査品の温度変化が発生しない環境をつくることは非常に困難です。例えば、溶接や洗浄後の乾燥工程などを経てリーク検査をする場合は、検査品の温度と環境温度に差が生じるために、リーク検査中に検査品の温度が変化することになります。

右記条件のリーク検査で、リーク検出中に、検査品内の気体(圧縮空気)温度が−0.01℃変化した場合、漏れなし品でも−13.6Paの圧力変化が発生します。
この場合、温度補正ができない従来のエアリークテスターでは、漏れなし品にもかかわらず「0.5mL/minの漏れあり」という結果(誤判定)になります

気体温度

従って、正しくリーク判定を行うには、温度変化で発生する圧力変化を高精度に補正する必要があります。

高精度な温度補正が可能です。
POINT
ボイル・シャルルの法則とハーゲンポアズイユの法則に基づいたまったく新しい方法で、高精度な温度補正を実現しました。
無加圧(大気圧)計測
無加圧(大気圧)計測

リーク検査品の中が大気圧状態だと、内外の圧力差がほとんどないので、ハーゲンポアズイユの法則によって微小漏れ穴があっても気体は漏れない(無視できる)。したがって、ボイル・シャルルの法則によって温度変化のみによる圧力の変化が分かる。

加圧計測
加圧計測

リーク検査品の中を加圧すると、微小漏れ穴がある場合、穴から気体が漏れる。この場合、温度変化と漏れによる圧力変化が合算されるため、温度変化による圧力変化が誤判定の要因(ノイズ)となる。

  1. 大気圧時の圧力変化=
    温度変化による圧力変化(大気圧)
  2. 加圧時の温度変化による
    圧力変化を予測
    温度変化による圧力変化(加圧)
  1. 加圧時の圧力変化=
    漏れによる圧力変化
    +温度変化による
    圧力変化(加圧)

従来の加圧計測に、無加圧計測を加えるだけで
温度補正を行うしくみです。

加圧計測グラフ
温度補正のフロー

温度補正のフロー

全ての製品に温度補正が適用できます。
POINT
従来の加圧計測と同じ構成で無加圧計測を行うだけなので、従来の機器と同等価格で、全ての製品に温度補正が適用できます。

温度補正がない従来の機器と同じ構成で
温度補正が適用できます。

エアリークテストの基本的な構成

エアリークテストの基本的な構成

温度補正機能を使用すると…
POINT
  • 製品の温度が下がらないうちにリーク検査できます。
  • リーク検査前の製品の温度静定工程を省くことができます。
  • 温度がばらばらな製品で高精度なリーク検査ができます。
温度補正機能を使用しないと…
  • リーク検査のために製品の温度が下がるまで待たなければいけません。
  • 製品の温度を静定する工程を追加しなければいけません。
  • 温度がばらばらな製品をリーク検査すると誤判定が多くなります。
溶接(ロウ付け)後の熱交換器リーク検査

溶接(ロウ付け)後の熱交換器リーク検査

事例1
熱交換器(ガス給湯器)

ヘリウムリークディテクターから当社エアリークテスターへの置換えで、
設備投資とランニングコストを削減!

リークテスト
背景
  • 従来のエアリークテスターでは、加圧テスト中に温度変化があり、正確な漏れ検査ができなかった。
  • そこで、温度変化の影響を受けないHeリークテストで漏れ検査していた。
導入のポイント
  • エイムテックのエアリークテスターには、温度補正機能がある。
  • 生産コストを大きく削減する事が出来る。
  • 技術的サポートで、Heリークテストからの置換えの過程で発生すると思われる様々な課題を解決できる技術力がある。
導入効果
  • Heリークリークディテクターから、温度変化の影響を無視できるレベルの精度で漏れ検査が出来るエイムテックのエアリークテスターに置換えたことで、大幅コストダウンを達成。
初期費用削減

Heリークディテクター1台の設備を当社エアリークテスター3台の設備へ置換え

4,000,000円/年
ランニングコスト削減

Heガスの価格と設備管理費用の削減

1,000,000円/年

※導入効果の数値は、当社試算によるものです。

事例2
ステンレスマグボトル

水没検査から当社エアリークテスターへの置換えで、
工数と製造コストを削減!生産現場の環境改善!

ステンレスマグボトル
背景
  • 二層構造の真空容器という製品特性上、加圧テスト中に、膨張すること、温度変化が発生することから、従来のエアリークテスターと技術的サポートでは正確な漏れ検査ができなかった。
  • そこで、温度変化と形状変化の影響を受けない水没テストで漏れ検査していた。
導入のポイント
  • エイムテックのエアリークテスターには、温度補正機能がある。
  • 技術的サポートで、水没テストからの置換えの過程で発生すると思われる様々な課題を解決できる技術力がある。
導入効果
  • 水没テストを、乾式・自動化のエアリークテストに置換えられたことで、水フリー環境を達成。(水の使用、水の交換作業、水没テスト後の製品の水滴拭取り作業)
  • 作業員の水濡れがなくなり、製造現場環境が改善。
工数削減

水の交換、製品の水滴拭取り工数の削減

3,645,000円/年

※導入効果の数値は、当社試算によるものです。

ASP-2310の機能

お客様の声を反映して
お困りごとを解決する機能を集結!

起動時の誤判定

朝や昼に誤判定が発生する

起動時と再起動時

検査設備が安定するまで、数回の試運転(ウォーミングアップ)が必要です。
暖機運転機能を使うと、試運転の条件を詳細に設定できるので、ウォーミングアップ時間を最短にすることができます。

暖機運転機能
連続検査の誤判定

検査を繰り返すと吸排気の熱がマスターに蓄積する

マスターに蓄積

プレバージ(事前工程)機能を使うと、検査のたびに、マスター、または、マスターとワーク双方の内部にコンプレッサーエアーを流して、マスターの蓄熱やワークの温度影響を低下させることができます。
外部装置に、ファンを使ってマスターやワークを冷却するための制御信号を出すこともできます。

プレバージ(事前工程)機能
試験条件の設定が難しい

試験条件自動設定機能を使うと、試験圧力、容積、検出漏れ量(しきい値)などの基本的な条件の入力で、BAL、DETの試験時間などを自動的に設定できます。
これを初期値として最適な設定に調整することができます。

試験条件自動設定機能
判定結果にバラツキがある
判定結果にバラツキがある

周囲環境が影響している可能性があります。
別売の温度計を使って、リーク検査中の温度変化を捉えることで、環境による影響を明確にします。

検査結果を管理・分析したい

データの整理やグラフ化が必要です。
PCソフトウェア(データ管理システム)エアリークテスターの画面で、データ管理と分析が行えます。

データ管理と分析
その他の機能
容積計測
ワーク側容積を計測します。
リークマスター検査
疑似的な漏れを発生させて、計測精度を確認します。
マニュアル計測
加圧・平衡・検出・排気が手動で操作できます。
気泡テスト
水没・検知液による漏れ検査です。
メンテナンス
周辺機器との接続確認・本体気密検査・センサー調整などのメンテナンスを行います。

導入からアフターまでサポートします。

エイムテックは、ASP-2310の
導入・ユーザーサポートメンテナンス
を行っています。

導入前
基礎実験
お客様の製品で、当社の温度補正効果をご確認いただくための基礎的な確認実験を行います。
ご購入前に、温度補正の効果をご確認いただけます。
製品仕様お問合せ対応
ご購入前に、製品の仕様についてご確認いただけます。
導入時
検査設備製作時サポート
  • 設備会社様からのお問合せ対応
  • リークテストの条件設定
  • テスト立会い
  • データ収集・分析
  • リーク検査改善
検査設備導入時サポート
  • パイロットラン立会い
  • データ収集・分析
  • リーク検査改善
導入後
メンテナンス
  • 定期メンテナンス
  • 圧力校正
  • 修理、部品交換
導入後改善サポート
  • データ分析等

製品仕様

型式
  • ASP-2310R 配管ポート背面タイプ
  • ASP-2310F 配管ポート前面タイプ
基本仕様
差圧 圧力計測範囲 -1,000~+1,000Pa
圧力最小目盛 0.1Pa
試験圧 圧力計測範囲 0~600kPa
圧力最小目盛 0.1kPa
表示単位 漏れ量 mL/min、Pa・m3/s
温度測定範囲 5~40℃
チャンネル設定 16CH(CH1~CH16)
試験用流体 クリーンで圧力変動しないドライエアー
使用環境温度範囲 5~40℃※ただし、結露なきこと
保存環境温度範囲 -20~60℃※ただし、結露・氷結なきこと
使用湿度範囲 35~85%RH※ただし、結露なきこと
環境特性 過電圧カテゴリⅡ、汚損度2、使用場所:室内、設置高度:2,000m以下
電源 電源電圧・周波数 AC100~240V(±10%) 50/60Hz
定格電力 140VA(MAX)
配管接続口径 試験圧供給 Rc1/4
パイロット圧供給 Rc1/4
排気 Rc1/4
マスター Rc1/4
ワーク Rc1/4
校正 Rc1/8
外部出力 RS-232C D-sub9ピン
制御端子 内部入出力端子
外部バルブ出力端子
電空レギュレーター端子
温度センサー端子(3端子)※温度センサーは別売です
寸法 W184✕H270✕D301(mm)※突起物除く
本体重量 約6.5kg
付属品 ASPデータ管理システム、取扱説明書(ASPデータ管理システムと取扱説明書は同じCD-Rに格納されています)、外部バルブ出力コネクター、内部入出力コネクター、RS-232Cケーブル、電源コード、検査成績書、保証書、トレーサビリティー関係書類、取扱説明書必読のお願い/同梱部品一覧
ASP-2310R
ASP-2310R
ASP-2310F
ASP-2310F

仕様・構成・外観などは、改良のため予告なく変更する場合があります。