産業用エアリークテスターは、漏れのない容器(マスター)と被試験体(ワーク)の圧力差で漏れを検出する差圧センサーを搭載した検査機器で、自動車部品、ガス燃焼機器の配管や各種容器などの製造ラインで使用されています。この産業用エアリークテスターの分野においても、温度変化による誤判定が発生する場合があります。そこで、弊社が培ってきた温度補正技術により、リーク試験中のマスターとワークの温度変化による誤判定を防ぐ製品を開発しました。
エアリークテストのコストダウン、工数削減を実現!
気体は、温度が変化すると圧力も変化します。(ボイル・シャルルの法則)従って、圧力計測(エアリークテスター)でリーク検査をすると、検査品の温度変化によって誤判定(漏れなし品を漏れあり、または、漏れあり品を漏れなしと判定)することがあります。
検査品の温度変化で圧力が下がると、漏れがなくても漏れありと判定します。
逆に検査品の温度変化で圧力が上がると、漏れがあっても漏れなしと判定する可能性があります。
この問題は、理論的には、検査品の温度と環境温度を管理・制御して、検査品が温度変化しない状態でリーク検査を行うとことで対策できます。しかしながら、実際の製造現場で、検査品の温度変化が発生しない環境をつくることは非常に困難です。例えば、溶接や洗浄後の乾燥工程などを経てリーク検査をする場合は、検査品の温度と環境温度に差が生じるために、リーク検査中に検査品の温度が変化することになります。
右記条件のリーク検査で、リーク検出中に、検査品内の気体(圧縮空気)温度が−0.01℃変化した場合、漏れなし品でも−13.6Paの圧力変化が発生します。
この場合、温度補正ができない従来のエアリークテスターでは、漏れなし品にもかかわらず「0.5mL/minの漏れあり」という結果(誤判定)になります。
従って、正しくリーク判定を行うには、温度変化で発生する圧力変化を高精度に補正する必要があります。
リーク検査品の中が大気圧状態だと、内外の圧力差がほとんどないので、ハーゲンポアズイユの法則によって微小漏れ穴があっても気体は漏れない(無視できる)。したがって、ボイル・シャルルの法則によって温度変化のみによる圧力の変化が分かる。
リーク検査品の中を加圧すると、微小漏れ穴がある場合、穴から気体が漏れる。この場合、温度変化と漏れによる圧力変化が合算されるため、温度変化による圧力変化が誤判定の要因(ノイズ)となる。
従来の加圧計測に、無加圧計測を加えるだけで
温度補正を行うしくみです。
温度補正のフロー
溶接(ロウ付け)後の熱交換器リーク検査
ヘリウムリークディテクターから当社エアリークテスターへの置換えで、
設備投資とランニングコストを削減!
Heリークディテクター1台の設備を当社エアリークテスター3台の設備へ置換え
Heガスの価格と設備管理費用の削減
※導入効果の数値は、当社試算によるものです。
水没検査から当社エアリークテスターへの置換えで、
工数と製造コストを削減!生産現場の環境改善!
水の交換、製品の水滴拭取り工数の削減
※導入効果の数値は、当社試算によるものです。
お客様の声を反映して
お困りごとを解決する機能を集結!
朝や昼に誤判定が発生する
検査設備が安定するまで、数回の試運転(ウォーミングアップ)が必要です。
暖機運転機能を使うと、試運転の条件を詳細に設定できるので、ウォーミングアップ時間を最短にすることができます。
検査を繰り返すと吸排気の熱がマスターに蓄積する
プレバージ(事前工程)機能を使うと、検査のたびに、マスター、または、マスターとワーク双方の内部にコンプレッサーエアーを流して、マスターの蓄熱やワークの温度影響を低下させることができます。
外部装置に、ファンを使ってマスターやワークを冷却するための制御信号を出すこともできます。
試験条件自動設定機能を使うと、試験圧力、容積、検出漏れ量(しきい値)などの基本的な条件の入力で、BAL、DETの試験時間などを自動的に設定できます。
これを初期値として最適な設定に調整することができます。
周囲環境が影響している可能性があります。
別売の温度計を使って、リーク検査中の温度変化を捉えることで、環境による影響を明確にします。
データの整理やグラフ化が必要です。
PCソフトウェア(データ管理システム)とエアリークテスターの画面で、データ管理と分析が行えます。
エイムテックは、ASP-2310の
導入・ユーザーサポートとメンテナンス
を行っています。
差圧 | 圧力計測範囲 | -1,000~+1,000Pa |
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圧力最小目盛 | 0.1Pa | |
試験圧 | 圧力計測範囲 | 0~600kPa |
圧力最小目盛 | 0.1kPa | |
表示単位 | 漏れ量 | mL/min、Pa・m3/s |
温度測定範囲 | 5~40℃ | |
チャンネル設定 | 16CH(CH1~CH16) | |
試験用流体 | クリーンで圧力変動しないドライエアー | |
使用環境温度範囲 | 5~40℃※ただし、結露なきこと | |
保存環境温度範囲 | -20~60℃※ただし、結露・氷結なきこと | |
使用湿度範囲 | 35~85%RH※ただし、結露なきこと | |
環境特性 | 過電圧カテゴリⅡ、汚損度2、使用場所:室内、設置高度:2,000m以下 | |
電源 | 電源電圧・周波数 | AC100~240V(±10%) 50/60Hz |
定格電力 | 140VA(MAX) | |
配管接続口径 | 試験圧供給 | Rc1/4 |
パイロット圧供給 | Rc1/4 | |
排気 | Rc1/4 | |
マスター | Rc1/4 | |
ワーク | Rc1/4 | |
校正 | Rc1/8 | |
外部出力 | RS-232C | D-sub9ピン |
制御端子 | 内部入出力端子 | |
外部バルブ出力端子 | ||
電空レギュレーター端子 | ||
温度センサー端子(3端子)※温度センサーは別売です | ||
寸法 | W184✕H270✕D301(mm)※突起物除く | |
本体重量 | 約6.5kg | |
付属品 | ASPデータ管理システム、取扱説明書(ASPデータ管理システムと取扱説明書は同じCD-Rに格納されています)、外部バルブ出力コネクター、内部入出力コネクター、RS-232Cケーブル、電源コード、検査成績書、保証書、トレーサビリティー関係書類、取扱説明書必読のお願い/同梱部品一覧 |
仕様・構成・外観などは、改良のため予告なく変更する場合があります。