ローリ車に搭載したタンクに吸着材(活性炭)を充てんし、タンクを真空にしてバルク貯槽からLPガスを回収する装置です。
集合住宅等、大規模ガス供給基盤として約20万基のバルク貯槽が設置されていますが、これに伴ってバルク貯槽の附属機器が故障するケースも増えてきており、点検・修理には貯槽内のガスを回収することが必要となります。このシステムは、2007年から経済産業省・原子力安全保安院より、安全かつ効率的な残ガス回収システムとして開発委託を受け、2010年からはNEDO事業として実用開発を進めています。
このガス回収システムは、ローリ車に搭載したタンクに吸着材(活性炭)を充てんし、タンクを真空にしてバルク貯槽からLPガスを回収する装置です。多孔体である活性炭は、大きな表面積(約1500㎡/g)を持つため、気体を大量に吸着する性質を持っています。この吸着材を利用してバルク貯槽内にあるLPガスを安全で効率的に回収します。
石炭を原料とする高い吸収力を持つ活性炭で、周囲の気体分子は活性炭の微細な隙間に吸着され濃縮されます。活性炭を入れた容器は空容器の10倍のLPガスを回収できます。また、吸着回収後の圧力は大気圧と同じとなり、安全です。活性炭は半永久的に繰り返し使用できます。
LPガス回収用吸着材
(ペレット状成型炭)
吸着イメージ
3トン車/容積 2000L
充てん活性炭 890kg
4トン車/容積 5000L
充てん活性炭 2300kg
ガス回収量 100kg
再生設備
2時間以内で100kgのLPガスを再生